アフガニスタン出身の難民人材がBtoBマーケティングカンパニー・株式会社アイアンドディーで採用決定!
NPO法人WELgee(代表理事:渡部カンコロンゴ清花、以下「WELgee」)は、日本での就労に向けて伴走したアフガニスタン出身の難民人材が、株式会社アイアンドディー(本社:東京都渋谷区 /代表取締役社長:福重 広文)にて採用されたことを発表します。
株式会社アイアンドディーは1999年から、BtoBマーケティング支援やマーケティングツールの自社開発・販売を行う会社です。2010年から海外企業の日本進出支援(市場調査・リードジェネレーション)も実施しています。海外部門をより強化するためグローバル人材を探していたところ、メディア報道をきっかけにWELgeeの難民人材コーディネーションサービス「WELgee Talents」を知り、お問い合わせをいただきました。
今回採用されたHさんは、アフガニスタン出身。インドの大学にて土木工学の学位を取得し、その後、イタリアやフランスの大学院で修士課程を修了しました。アフガニスタンに帰国後、インフラストラクチャーの専門家として日本大使館で勤務し、JICAやODAの案件にも従事しましたが、タリバン復権を受けて2023年に日本に避難。来日後は建築の現場で働く一方で、日本の大学院(大学院大学 至善館)にてMBAも取得しました。WELgeeとHさんの出会いは2023年9月。メンターシッププログラムや日本語研修のプログラムを通じて就職活動に伴走してきました。
Hさんの専門は土木工学ですが、本人の将来的な目標がマーケティング分野にあり、株式会社アイアンドディーの業務にマッチしたことで採用に至りました。2024年6月から3か月のお試し雇用を実施し、海外からの案件を受注するなど、コミュニケーション能力が高く評価され、9月より正社員として採用されました。現在、海外事業のコンサルタントとして、海外企業(IT企業、製造業など)の日本進出の支援に取り組んでいます。
◆「I&D Expert Column」でもHさん活躍の様子が公開されています。記事はこちらから。
私自身もアフリカや中近東で10年近くJICAや個人事業で苦労した経験があります。
今般のロシアとウクライナ戦争でウクライナから多数の難民が来日していることを知りWELgeeに連絡を取ることにしました。そこでウクライナ以外の国からも多数の有能な難民が来日していることを知り、ビジネスが出来る難民をぜひ採用したいとの思いで複数回の面談を重ねアフガニスタン出身の優秀なHさんに出会うことが出来ました。
非常に前向きで1回教えたことは、ほぼ習得する能力を持ち合わせています。
ほぼ毎日英語での打ち合わせになりますが、毎回冗談を交え非常に楽しく業務を進めています。
Hさんが一定の目標を達成した場合、彼の知人を含めさらに人員を補強し海外事業を強化する予定です。
また、今後もWELgeeさんを通じてグローバル人材を強化して行きたいと考えております。
複数の国での就業経験を持ちながら、常に学び続ける謙虚な姿勢をお持ちのHさん。Hさんなら採用したいと考える日本企業様はきっとある、と信じて伴走を続ける中で、アイアンドディー様と出会いました。アイアンドディー様は、IT技術を駆使したマーケティングサービスを世界の顧客に提供する最先端の企業様であると同時に、従業員を”Happy”にし、その先に顧客と社会の”Happy”を実現するというハートフルな経営理念をお持ちです。そのような素晴らしい企業様がHさんの人柄とポテンシャルを評価し採用に至った事を大変嬉しく思っています。
Hさんが今後アイアンドディー様で活躍する姿は、WELgeeの掲げる「自らの境遇にかかわらず共に未来を築ける社会の実現」の一助となり、他の多くの難民人材の方の励みになる事は間違いありません。WELgeeは引き続きポテンシャルのある難民人材たちを、応援して行きます。
日本に逃れた難民とともに未来を築く団体です。難民認定の厳しい日本で、難民一人ひとりがキャリアや人生の目標を追求できる道筋を、多様なセクターとの協働を通じて目指します。難民人材の強みを、日本企業のダイバーシティ推進・イノベーション創出に生かす人材紹介サービス「WELgee Talents」、キャリア教育やメンターシップ、スキル開発などの育成機会を提供する「育成事業」、一人ひとりの難民が持つスキルや経験を、日本社会の様々なアクターの課題解決に生かし、お互いの強みを生かした価値創造を行う「共創事業」を運営しています。詳しくは https://welgee.jp/ をご確認ください。
難民の定義
難民とは「人種・宗教・国籍・特定の社会的集団の成員資格・政治的意見を理由に迫害されるという十分に理由のある恐怖のために国籍国の外におり、かつ、その国の保護を受けられないか、そのような恐怖のためにそれを望まない者」(出典:UNHCR『難民の地位に関する条約』『難民の地位に関する議定書』)を指します。 近年、UNHCRのガイドラインなどによって国際慣習では、紛争・ジェンダー・気候変動での強制移住をせざるを得なくなった人々についても難民として保護する流れが主流になっています。
WELgeeの「難民」の考え方
難民が生じる背景や社会情勢が多様化・複雑化する中で、従来の難民の定義にとどまらない多くの人々が、祖国を追われる状態に置かれています。WELgeeは、命の危険があって現在祖国に戻れない状態にある人を活動の対象としており、認定難民・難民認定申請者・後発的難民(帰国困難な状態にある元留学生等)・避難民なども含んでいます。
WELgee活動のスタンス
WELgeeは「難民」を保護対象としてのみならず、一人ひとりが志や経験をもった個人として捉えています。政府による難民認定だけをゴールにするのではなく、難民の人生の再建の選択肢を増やす取り組みを行っています。