NPO法人WELgee（代表理事：渡部カンコロンゴ清花、以下「WELgee」）は、日本での就労に向けて伴走したウクライナ出身の人材が、 株式会社マネジメントソリューションズ（本社：東京都港区、代表取締役社長：高橋信也、以下：MSOL エムソル）にて採用されたことを発表します。

MSOLは「マネジメントを、世界を動かすエンジンに。」をブランドパーパスに、プライム市場上場企業中心に多様な企業のマネジメントを支援している専門会社です。同社には、「ＳＤＧｓのすごい会社」の出版にあたりMSOLの有志社員により取材いただいたことをきっかけに難民人材採用に興味をお持ちいただき、今回の採用に至りました。この事例は同社は外国人人材を既に多数採用していますが、初の難民人材採用事例となります。

ウクライナ出身のソロミアさん（仮名）は、母国にて翻訳会社で証明書、公文書、臨床試験の翻訳・翻訳コーディネーターに従事した後、国立大学で日本語の講師として勤務した経験があります。また2017年より来日し、私立大学において英語の教鞭をとっていました。2022年2月のウクライナ侵攻によって母国への帰国が困難となり、日本でのより安定した職業機会が必要となりました。同社はソロミアさんが母国で培った、日本語を含む多言語能力や文章作成能力、プロジェクト管理への能力的適正に将来性を見込みました。

WELgeeはソロミアさんと2022年夏より面談を実施しており、今までの経験を生かしながら新しいキャリアを築きたいという彼女と共に、最適なキャリアを模索してきました。また、今回の採用においては、PMO Center事業部長である小宮啓太郎氏が立役者となり、現場からのアプローチが行われました。

その結果、株式会社マネジメントソリューションズで正社員として採用され、2023年4月より同社でプロジェクトコントローラーとして勤務を開始しました。今後は、同社サービスにかかわる提供、開発や導入定着化など全般の業務に取り組みながら、同社の海外案件開拓にも関わる予定です。

今回、ソロミアさんを弊社のメンバーとして迎え入れられたこと、大変うれしく思っております。ソロミアさんは4か国語を話せる大きな強みがあり、強い好奇心や向上心、難しいことにチャレンジしてきた過去のご実績などから弊社のPMOとしても大きな活躍をされることと我々も期待しております。
また、今回選考/採用に至るまでは、WELgeeの方々より法律面や文化面などご丁寧にアドバイスを頂けたことで、全く不安、滞りなく採用プロセスを進めることができました。この点においてもWELgeeには感謝しております。

初回面談の際の率直な印象は「なぜソロミアさんは今の仕事をしているのだろう？」という疑問からのスタートでした。外国籍であること、在留資格を得ないと働けない法的問題、日本語能力・日本文化への適応の難しさなど、本来ソロミアさんが持っているスキル・素養（向き不向き）・ポテンシャル等が様々なこれらの課題によって制限されていたように感じました。そういった意味で、MSOL様への新しい門出は、ソロミアさんが本来持っているスキルや能力を存分に発揮でき、かつこの日本において新たに積み重ねる新しいキャリア形成と挑戦になります。今後、ソロミアさんがどのように成長しパフォーマンスを発揮するのか、非常に楽しみです。

設立        ：   2005年7月
本社        ：   東京都港区
代表取締役兼CEO：高橋 信也  
HP          ： https://www.msols.com/

日本に逃れた難民とともに未来を築く団体です。難民認定の厳しい日本で、難民一人ひとりがキャリアや人生の目標を追求できる道筋を、多様なセクターとの協働を通じて目指します。難民人材の強みを、日本企業のダイバーシティ推進・イノベーション創出に生かす人材紹介サービス「JobCopass」、キャリア教育やメンターシップ、スキル開発などの育成機会を提供する「育成事業」、一人ひとりの難民が持つスキルや経験を、日本社会の様々なアクターの課題解決に生かし、お互いの強みを生かした価値創造を行う「共創事業」を運営しています。詳しくは https://welgee.jp/ をご確認ください。

◎難民の定義
難民とは「人種・宗教・国籍・特定の社会的集団の成員資格・政治的意見を理由に迫害されるという十分に理由のある恐怖のために国籍国の外におり、かつ、その国の保護を受けられないか、そのような恐怖のためにそれを望まない者」（出典：UNHCR『難民の地位に関する条約』『難民の地位に関する議定書』）を指します。 近年、UNHCRのガイドラインなどによって国際慣習では、紛争・ジェンダー・気候変動での強制移住をせざるを得なくなった人々についても難民として保護する流れが主流になっています。

◎WELgeeの「難民」の考え方
難民が生じる背景や社会情勢が多様化・複雑化する中で、従来の難民の定義にとどまらない多くの人々が、祖国を追われる状態に置かれています。WELgeeは、命の危険があって現在祖国に戻れない状態にある人を活動の対象としており、認定難民・難民認定申請者・後発的難民（帰国困難な状態にある元留学生等）・避難民なども含んでいます。

◎WELgee活動のスタンス
WELgeeは「難民」を保護対象としてのみならず、一人ひとりが志や経験をもった個人として捉えています。政府による難民認定だけをゴールにするのではなく、難民の人生の再建の選択肢を増やす取り組みを行っています。