世界人権宣言を知っていますか?

平成最後の2018年12月10日は、世界人権宣言70周年です

世界人権宣言は1948年、第二次世界大戦時に起こった人権侵害への反省を踏まえて作られた、地球上に生きる全ての人たちの「自由、尊厳と権利」を認めた国際公約です。

この国際公約の第23条に「職業を自由に選択する権利」があります。誰もが皆、生まれや社会的階級、性別、そして国籍などに関わらず、自分の職業の選択をする自由を享受することを認めています。

日本の国内ではどうでしょうか?

日本では、確かにどんな立場であっても、形式的には、自由に職業紹介サイトにアクセスし、仕事に応募することができます。

しかし実際は、生まれた家庭や経済的背景、ジェンダー、国籍、話せる言語など、本人の努力だけでは変更が困難な事情によって、持てる選択肢が変わります。


アルバイトや就職の際に、誰しもが一度は見たことのある「履歴書」

その紙面の大半は「学歴」や「職歴」で占められていることがわかります。

しかし所属した学校や、職場、役職などの「肩書き」だけではなく、もっとその人らしさを表現することができるような履歴書は、どんな形になるのでしょうか?

生まれや社会的階級、性別、そして国籍などの「肩書き」の枠を超えて、自分らしさが認められる社会は、今よりももっと多様性に寛容な、カラフルな社会なのではないのでしょうか?

そんな思いを込めて、動画「#カラフルな履歴書」は生まれました。

#カラフルな履歴書

日本に希望を求めて逃れた難民の若者たち

日本にも、紛争・差別・迫害などから逃れ、日本にやってくる「難民」と呼ばれる人たちがいます。

多くの奇跡と努力が重なって、地理的・文化的にもかけ離れた日本へとたどり着いた彼ら。

逃れた先の日本で、雨風をしのげるシェルターを手に入れても、明日生きるための食料を得られたとしても、彼らはこう言います。

「爆弾は降ってこない。でも毎日、人間として生きた心地がしないんだ」

紛争や迫害が終焉し、母国に帰ることができるようになるまで、日本で自立して生活をする必要があります。

1)在留資格の壁:

日本の難民認定率は、OECD諸国でも最低水準の0.2%※。

多くの場合は難民申請をして8ヶ月が経過すると就労許可を申請でき、合法的に働けるようになります。しかし期間の短い在留資格を更新し続ける不安定な立場から、正社員雇用を検討されることが少なく、職場が転々と変わるような派遣労働や、過酷な現場仕事、夜勤の職場への就業を余儀なくされます。

※2017年度の難民申請処理数に対する難民認定率です。

2)日本語の壁:

日本国内の職場ではほとんどの場合、日本語能力が必要となりますが、危険を逃れて母国を出ることを決めるまで、日本に来る想定も予定もしてなかった彼らが、日本語を習得するためには、膨大な努力と時間が必要です。なかなか日本人と交友関係を持てず、わずかな人数しか受け取ることのできない保護費から交通費を捻出することも困難で、日々本国の情勢や家族の安否、自分の難民申請の状況に頭を悩ます。そんな日々の中では、日本語の習得は、非常に高い壁なのです。

3)社会的レッテルの壁:

「難民」と言うレッテルに付随するネガティブなイメージは、「人として安全なのか?」という漠然とした不安や懸念を生じさせ、結果として、それが本来の「個」としての魅力が伝わることを後退させることに繋がります。

「不安定なビザ、日本語力がまだ低い自分を雇ってくれるところは派遣労働しかなかった」と嘆く若者も多いのが現実です。雇用契約書がない。いざ怪我をしても労災が下りない。しかし他に選択肢がない….

難民 とは、そんな「かわいそうな人たち」なのでしょうか?

少なくとも私たちはそうは感じていません。むしろ、私たちの出会う、難民の中にはこのようにユニークな人々がたくさんいたのです。

彼らの中には、社会的な感度が高く、母国で起きている課題を解決するために、立ち上がった結果、難民となってしまった方も、少なくはありません。

自分の国に民主主義が戻ってくること、
児童労働のない産業構造に変えること、
今度の選挙が誰も死なずに終わること、
自分の言いたいことを若者たちが言える世界がくること、
国境を超えた経済圏を作ることで弾圧を超えて届けたい相手にサービスが届くこと。

私たちには直接は叶えられない、たくさんの夢を担っているのが彼らなんです。

そんな彼らが祖国に帰り、社会を再建する担い手として活躍することのできるその日まで、

彼らの「働く」をつくることは、その人が「難民」としてではなく、「自分」として生きてゆく機会を作る試みです。

彼らの中には、女性も男性も、20代も50代も、銀行員もデザイナーも、ジャーナリストも、先生も、人権活動家もいます。難民という言葉は、人間という言葉くらい、とても大雑把な言葉なのです。

逆境を乗り越えてきた彼らは、抜群の人間力と想像力と優しさを備えています。

私たちの仕事は、彼らの夢の後押しをすることです。

難民という背景を超えて、
1人の人間としてありのままの自分を思いっきり生きられる・表現できるように。

賛同者の方のコメント

難民の若者と同じように、日本の中には、自らの境遇によって、就業機会を得ることが難しい方々がいることもまた事実です。
一方で、彼らには厳しい逆境の中で磨かれてきた様々な魅力があります。

そんな可能性あふれる彼らの「働く」を応援する企業・団体・個人の方々から、コメントをいただきました。

株式会社フェアスタート・特定非営利活動法人フェアスタートサポート

代表 永岡鉄平さん

ひとたび社会に出て見ると、その人の生い立ちや、学歴などで社会人が評価されるわけではないことに気が付きます。しかし、今の日本では、「うまれ」「育ち」により、社会へ出る最初の入り口において大きな機会格差があることは否めません。どのような環境にうまれても機会は公平に保障される、そんな日本社会を作りましょう

認定NPO法人Homedoor(ホームドア)

代表 川口 加奈さん

私たち自身、生活困窮者らをサポートする中で、数年間、一般的な仕事で働いていないという履歴書の空白によって、なかなか仕事が見つからない人と多く出会います。数年間働いていないだけで、問題があるとみなされてしまうのです。もっと寛容で、再チャレンジのきっかけがたくさんある社会になればいいなと思っています。

脳科学者

茂木健一郎 さん

ユニークな個性は社会的レッテルを超えたその向こうにある。固定観念に束縛されていると自分自身ももったいない。
みんなが個性をマイニングすべきとき。多様性と包摂は自分を解放するためにこそある。さあ、スマイル。

NPO法人WELgee代表理事 渡部清花より

命を守るため母国から日本に逃れてきた若者たちに、日々出会います。 そこには「難民」とくくられる中では見えなかった様々な顔があります。
プログラマー、研究者、ジャーナリスト、看護師、歌手、医者、起業家、エンジニア、靴職人… しかし職業名でも、まだ本当の”その人らしさ”は見えてきません。
「未来の自然を守る仕事をしたい」 「女の子たちが教育を受けられる環境を作りたい」 「コーヒー豆の流通で母国と日本をつなぎたい」
国籍、年齢、学歴、職業、資格では測れない”その人らしさ”を持っているのは、難民の人たちに限りません。
あなたがやりたいこと、心から興味があることは、「職業名」で言い表せるでしょうか? 子ども若者たちに、根拠のある成果ばかり求めていませんでしょうか?
いったん逆境に置かれたとしても「自分らしく働く」「自分らしく生きる」ことを、もっともっと応援できる社会を一緒に作りましょう!

よくあるご質問

Q,世界人権宣言とは何ですか?

A世界人権宣言とは、第二次世界大戦・冷戦時の人権蹂躙の反省から生まれた国際規約です。人権の尊重と平和の深い関係に鑑み、基本的人権の尊重をその重要な原則としています。

世界人権宣言の全訳(参考:外務省)はこちらから見ることができます。

Q,NPO法人WELgeeとはどのような団体ですか?

A, NPO法人WELgeeは、日本にいる難民申請者の社会参画とエンパワーメントを目指す非営利団体です。OECD諸国の中で最も厳しい難民認定率の日本で、難民認定に頼らない方法で、難民たちが自身のキャリアや人生の目標を追求できるような『キャリアチャンネル』の創出を、民間セクターとの協働を通じて目指しています。WELgeeは、難民申請者への一方的な支援ではなく、当事者とともに(=with)活動をすることをモットーにしています。難民申請者が日本社会へと繋がるための対話の場である「Talk with」、緊急で住む場所を必要とする難民申請者を迎え、次への一歩を一緒に考える「Live with」、そして働くことを通じて自らの専門性や経験を生かす「work with」の3つの柱で事業を展開しています。

詳しくは https://welgee.jp/ または、最新情報は https://facebook.com/welgee をご確認ください。 

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